ユーザーインタビュー
2022.01.07

資料はすべて弁護革命で整理!
~『どこでも仕事ができる』 を実現した活用術

京谷 周 先生

弁護士であり弁護革命の開発者でもある山本了宣が、ユーザーから使い心地や利用方法などをうかがう、ユーザーインタビューシリーズ。
第2回目となる今回は、弁護士法人PLAZA総合法律事務所の副代表弁護士であり、第二東京弁護士会に所属する京谷周弁護士に話をうかがってきました。
京谷弁護士は、北海道出身の33歳。
北海道大学法科大学院を修了後、2015年に弁護士登録(68期)。
2020年に、PLAZA総合法律事務所の副代表弁護士に就任されました。

───京谷先生、よろしくお願いします。弁護革命を積極的に使っていただいているようでしたので、前からお話をうかがいたいと思っていました。

はい、よろしくお願いします。
まだまだ期は若いですが、お役に立てれば嬉しいです。

───最初に、事務所の体制や仕事内容などを教えてください。

当弁護士法人には、3名の弁護士が所属する東京事務所と5名の弁護士が所属する札幌事務所があり、私は東京事務所に所属しています。
事務所としては企業法務がメインで、私自身も、顧問先からの相談や訴訟案件・使用者側労働事件・法務デューデリジェンス・M&A・法人破産といった企業法務を中心に取り扱っています。
法務デューデリジェンスあたりは企業法務特有の分野だと思いますが、例えば顧問先からの訴訟案件は契約トラブルも多いので、一般民事と共通するところも多いです。
また、相続等個人からのご依頼も少なくありません。
ただ、私は刑事の案件はほとんどありません。
事件数としては、常時30〜40件ほどあります。
もちろん、全て私一人で担当しているわけではなく、適宜事務所内の他の弁護士と共同しています。

導入のきっかけから、実際に使ってみた感想

───弁護革命を使い始めたのは、いつ頃でしょうか?

2020年11月頃ですから、1年以上使っています。
Twitterで見かけたのが、弁護革命を知ったきっかけでした。

───どうして使ってみようと思われたのでしょうか?

元々、紙の書類を減らしてデータ化したいと思っていたんです。
理由は色々ありましたが、事務所でしか仕事ができないという状況を避けたかったのと、資料を一元化したかったのが大きいです。
小さな子どもがいるため毎日遅くまで事務所に残れませんし、定期的に出張もあります。
その時に、毎回紙の資料を持ち歩いたり、手元に資料が無くて効率が落ちるのは避けたいと思っていました。
一元化に関しては、必要な資料を探すのに時間を取られていたので、全てデータで管理したいと思っていました。
それで、有名なクラウドサービスにデータを入れたりしましたが、紙の事件記録に劣っている部分もかなりあって、情報が散らばりやすかったり、見づらかったり、整理しづらかったりして、満足のいく結果は得られませんでした。
そんな時に弁護革命を知って、「開発者が弁護士なら使いやすいかも」と思って導入してみました。

───導入するにあたり、不安だったことはありますか?

もちろん、「使いこなせるだろうか?」という不安はありました。
ただ、使ってみないと分かりませんし、合わなければ止めれば良いと思っていました。

───実際使ってみて、どうでしたか?

操作は直感的で分かりやすく、メニューのアイコンも分かりやすいので、難しく考えずに使えました。
最初は練習も兼ねて色々触って、分からないところはガイドを読んだり、サポートに機能や使い方を質問したりして、数ヶ月後には紙の資料はほとんど見なくなりました。

京谷弁護士流・2つの使い方

───現在、どういう風に弁護革命を使われていますか?

私の場合は、
1.資料を整理するため
2.どこでも仕事をするため
という使い方が大きいです。

1.資料を整理するため

具体的には、
(1)一元化する
(2)資料を大まかに頭に入れる
(3)タグ付けで分類する
こういう使い方です。

(1)一元化する
企業法務で言えば、企業の担当者から、契約書関係・議事録・相手方とのやりとりに関する資料等を、まとめて受け取ることが多いです。
その後も、紙やデータで色んな資料を受け取ります。
一般民事でも、裁判文書・相手方や依頼者とのやりとり・証拠・関連資料等がどんどん増えていきます。

その結果、
「あの書類どこにあったっけ?」
「あの話、どの資料に書いてあったっけ?」
こういう感じで、資料探しに時間を掛けてしまっていました。

そこで私は、紙でもらった資料も、メール等でもらった資料も、全て弁護革命に一元化しています。
そうすることで、「弁護革命内に無ければ、存在しないか、もらってないかのどちらかだ」と思えるようになりました。
弁護革命は検索機能も優れていますので、大量の資料を入れても探し出すのが簡単です。

(2)資料を大まかに頭に入れる
弁護革命に入れると、自動解析機能により、全文テキスト・タイトル・日付などを認識してくれます。
かなり精度は高いですが、そもそもタイトルが無い資料や日付が分かりづらい資料もあります。

【画面イメージ(手直しモードへ)】

【画面イメージ(手直しモード)】

そこで、弁護革命上で資料を一つ一つ見て、「手直しモード」でタイトルや作成日付を直したり、「メモ」欄に「重要」とか「○○について記載あり」といった簡単なメモを残していきます。
一見手間に見えるかもしれませんが、この作業を通じて、どういう資料があって、どういう内容になっているかということが大まかに頭に入ってきますし、後で資料を見返しやすくなります。
紙の資料でも、受け取った後、順番に目を通しながら付箋を貼ったりメモを書き込んでいきますよね。それと似たイメージです。

(3)タグ付けで分類する
私が重宝しているのが、タグ付け機能です。「文書符号」という機能名になっており、証拠番号などに使われることが多いのですが、私はこれを「タグ」と考えてフル活用しています。
弁護革命の公式ガイドでも、この使い方が紹介されています。

まず弁護革命では、タグをいくつでも自由に作れるので、書類の分類に役立ちます。
例えば相続では、裁判文書(主張書面・甲号証・乙号証・証拠説明書など)、相手方との連絡文書、遺言、戸籍、遺産の種類ごと(不動産・預貯金・有価証券等)、特別受益にタグを付けて管理しています。
タグごとに検索できるので、例えば「預貯金」というタグで検索すれば、そのタグを付けた資料がズラッと並んで一覧できます。
おかげで資料を見返したり起案する時に便利ですし、資料を探し出す手間も省けます。

また、一つの資料に複数のタグを付けられます。
例えば一つの契約書に対して、「甲号証」「契約書」「A社関係」といったタグを付けられます。
紙の資料でクリアファイルやインデックスを使うと、基本的に一つのカテゴリーに固定されてしまいます。
でも、一つの資料が複数の性質を持つことは多いので、複数のタグを付けられるのは非常に便利です。
「契約書」というタグの中で、「甲号証」のタグが付いていない、証拠として未提出のものだけ割り出すことができたり、「A社関係」というタグの中で時系列に並べ替えたりすることができますので、多量の資料の分析にとても役立ちます。
弁護革命では、甲1、甲2というのと同じように、預貯金1、預貯金2という風にタグ+数字を付けることもできますので、分量が多い場合にはこれも使えます。

整理は大体こういう感じですが、「紙での整理に近い」ではなく、もはや「紙での整理を凌駕している」と思います。
単なる「データの保管場所」ではなく、「弁護士業務のクオリティを上げるツール」と言えます。

2.どこでも仕事をするため

私も妻も働いており、子どもの保育園の送り迎えは基本的に私の担当です。
ですから、遅くまで事務所に残ることはできず、夕方で一度切り上げて、子どもを迎えにいって、夕食を済ませて、寝かしつけてから自宅で仕事を再開します。
他にも、顧問先の関係で定期的に出張もあるので、事務所を空けることは少なくありません。
もし紙の資料だと、毎回持ち歩く必要がありますし、何を持って行くか毎回考える必要があります。
そしていざ自宅で仕事をしようと思った時、「あぁ、あの資料が無い」となるのは非常にストレスです。

しかし私は、全て弁護革命に一元化しているので、パソコンさえあれば問題ありません。
事務所でも自宅でも出張先でも、同じ環境で仕事ができるので、非常に効率が良いです。
事務所での仕事の続きが、そのまま自宅で再開できるのです。
おかげでテレワークもできるようになり、通勤時間も節約できています。
今は、概ね週3,4日出勤、週1,2日テレワークのペースです。
打ち合わせや期日は、可能な範囲で出勤する日に集中させるようにしています。

───起案する時も、紙は使っていないのでしょうか?

はい。紙の資料は見ずに、弁護革命上で証拠等を見ています。
訴状や準備書面を作る時も、契約書を作る時も、紙の資料は見ません。

───パソコンで起案しつつ、紙の資料を見るという方も多いですが、何か使い方のコツはありますか?

パソコン1台で作業する場合は、画面を分割して、片方でWordを開いて起案しつつ、もう片方で弁護革命を開いて資料を見るというのが便利です。
また、弁護革命はアプリケーションではなくWebブラウザで動いているので、複数のタブを立ち上げて、弁護革命内の複数の場所を同時に見られます。

私は事務所でも自宅でもデュアルディスプレイで仕事をしていますので、1つのディスプレイを2画面に分割して、最大4画面で作業します。
そうすれば、1画面にWordを開いて起案しつつ、残りの画面で弁護革命の窓を複数開くこともできます。紙での起案の際にも複数の資料を同時に開く必要が出てくると思いますが、弁護革命は電子データでこれが自然にできます。
紙だと机の上がゴチャゴチャするので、これは便利な使い方だと思います。
おそらく、私の机は弁護士の中ではきれいな方ではないかと思います。

───今でも、紙の資料を使う場面はありますか?

ほとんどないですね。
企業法務でも一般民事でも関係なく、弁護革命を使います。
期日にも、尋問以外は全く紙を持っていきません。
(逆に、証拠原本の持参は忘れないようにしなければなりません。)
期日ではパソコンを開いて画面を二分割して、片方で弁護革命を開いて、もう片方で期日メモを作って、日程調整はGoogleカレンダーです。
資料が余程少ない事件だと紙で済ませますが、そういった事件は少ないです。

───「同じ環境で仕事ができる」というのはポイントなのでしょうか?

これはかなり大きいと感じています。弁護革命だと、自分の作業環境を常にそのまま持ち運べるような感覚があります。
いつでもどこでも作業が再開できて、すぐに集中できます。

───現在、弁護革命以外に使っているWEBツールはありますか?

最近、案件管理システム「LEALA」を使い始めました。
また、AI契約審査クラウド「GVA assist」も使っています。
弁護革命とは用途が違って、それぞれ役割があります。
クラウドストレージサービスとしては、セキュリティ性能の高い「Box」を使っています。
弁護革命はどちらかというと動かないデータを入れておく場所なので、WordやExcelなどで編集していくファイルは、Boxに普通に乗せています。

───色々なWEBツールを使われていますが、元々そういうツールを使うのは得意だったのでしょうか?

新しもの好きというのはあって、色んなツールを試してきました。
ですから、WEBツール自体に抵抗感はありませんが、特別に得意というわけではありません。
それでも、弁護革命は問題なく使いこなせました。

───弁護革命には、無料版と有料版(スタンダード版)がありますが、有料版に切り替えた理由は何でしたか?

無料版でも機能自体は全部使えるのですが、登録可能なプロジェクト数が3件までですし、「全文テキスト認識」と「証拠番号・タイトル・日付の自動認識」(OCR)の処理が累計1000ページ分までになっていました。
事件ごとにプロジェクトを作って使いますので、とても3件では収まらなくなりました。また、文書をどんどん登録していくと、1000ページはすぐに使い切ってしまいました。
無料版を使って、「これは良い」という確信が持てたので、迷わず有料版にしました。
有料版であれば、いずれも無制限になるので助かっています。

───弁護革命のサポートにも何度かお問い合わせいただいておりますが、対応はいかがでしょうか?

弁護革命は本体にサポートチャットが付いており、すぐに質問をすることができます。分からない点をお尋ねしたり、こういう機能を付けて欲しいといったリクエストもさせていただき、お世話になっております。
かなり踏み込んだ機能や使い方をお尋ねすることもあるのですが、いつも的確にお答えいただけるので、とても助かっています。
私がリクエストした機能をすぐに付けてくださったこともあり、驚きました。

───そうですね、京谷先生からリクエストいただいた機能は、すぐに付けられるものでしたし、ユーザーのお役に立てそうだったので、すぐに反映させていただきました。
もちろん出来ること・出来ないことはありますが、可能な限りユーザーの声を反映させたいと思っています。
弁護革命を有効活用されていて嬉しい限りですが、これからやってみたい使い方はありますか?

先日公開されたインタビュー記事で、川上先生が、事件検討のクオリティが上がると話されていたのが印象的でした。
私自身は、タグ(文書符号)機能をフル活用していますが、まだあまり使っていない機能もあります。弁護革命をうまく組み合わせることで、新しい仕事のフローが作れたり、これまでのフローがよくなったりしますので、もっと意識して使い方を開拓してみたいと思いました。

───弁護革命をまだ使っていない方、もう一つ使いこなせていない方に向けて、メッセージをお願いします。

私にとっては、「弁護革命が無いと業務が回らない」と言えるほど手放せないツールです。
正直、「こんなに便利なのに、どうして皆使わないんだろう?」と思うほどです。周りにはおすすめして回っており、事務所内で何人かの弁護士が試し始めたところです。
とは言え、ずっと紙で仕事をしてきた方が、パソコン等で資料を見るというのは、最初は違和感があると思います。
ただ、どんなツールでも最初は慣れないものなので、そこを是非楽しみながら乗り越えていただきたいと思います。
そうすれば、資料を探す時間も大幅に節約できますし、事務所以外でもクオリティを落とさずに仕事ができます。

特に、家族の関係で遅くまで事務所に残れない方、自宅でも仕事をしたい方、外出が多い方等にお勧めです。

いきなり有料プランを申し込むのはハードルが高いので、まず無料プランで試してみるのがお勧めです。
有料プランも月額制ですから、いつでも止められるというのもありがたいです。
また、中途半端に使うのではなく、「使い尽くす」くらいの気持ちで使うと、より弁護革命の魅力が分かると思います。

開発者山本の感想

山本了宣:膨大な開示証拠を管理する必要に迫られたことをきっかけに、『弁護革命』を開発しました。
弁護士(大阪)。 NOTE https://note.com/ryoseny/

京谷先生からお話をうかがってまず印象に残ったのは、弁護革命をご自身の仕事のフローの中にうまく組み込んでいらっしゃることでした。

私の理解ではこんなイメージです。

①依頼者と打合せをする

②資料を受け取る

③弁護革命に入れて一元化する
(事件記録の役目を果たし始める)

④弁護革命内で自分で文書名や日付やタグを整理していく
(記録の通読と意味づけをし、それを記録の中にも残すステップ)

⑤起案のときには、タグや日付を頼りに、ウインドウを複数開いて利用
(自分の整理結果を使って実作業)

⑥PCさえ持っていれば、いつでもどこでも「続き」ができる
(自分の作業環境を持ち運べる。生活の両立を支える)

どなたも自分自身の仕事のフローというのがあると思うのですが、弁護革命がそのフローの中に上手に組み込まれたとも言えますし、弁護革命によって「できること」の幅が広がったところも大いにありそうです。

弁護革命の設計思想の1つに、「出しゃばらない」ツールというものがあります。
使う人の環境や仕事の仕方に変更を迫らない、自分のスタイルに合わせて仕事の中に自然に組み込んでいけるものにする、という考えです。
そういう意味では、仕事の流れに上手に組み込んでいただいたという感じがしており、弁護革命も本望だなと思います。

なお、「自分で文書名や日付やタグを整理していく」という部分は、「それがいい!」という方と、「面倒くさい」という方とに分かれるのではないかと思っています。あとで説明しますが、弁護革命はどちらの流派でも便利に使えますので、どうかご安心ください。


弁護革命だと、作業の「続き」をやりやすいというお話があり、これも印象に残りました。
開発者自身の原体験として、フォルダとファイルでデータを管理していると、結局見つからなくなるし、情報も散逸しやすいというものがありました。より体感レベルで言えば、「探してばっかり」「集中できない」という感じです。

弁護革命は、それを克服したいというところからスタートしています。

・起動した瞬間から、きれいに記録が並んでいる
・画面に余計なものが見えない
・1~2回のボタン操作で、高速に検索や閲覧ができる

といったあたり、強く意識して設計されているのですが、このあたりもプラスに働いたとすると嬉しい限りです。
最後に印象的だったのは、文書符号=タグを徹底的に使っていらっしゃることでした。
文書符号をタグにも使うというのは、開発者としても考えて設計したところです。ただここまできっちり「タグ」として使い込んでいらっしゃるというのは、想像を超えているところもあって、大変勉強になりました。

弁護革命での文書整理は、非常にざっくり言って2つの方向性があると思います。

(1)管理は最小限にしておき、的確に探せるツールとして利用する方式
(2)情報を積極的に整理したり蓄積したりして、事件記録として育てて行く方式


の2つです。

実は弁護革命は、どちらかというと1番の方向性からスタートしています。読み切れない大量の資料(刑事事件の開示証拠)を扱うところから入ったのもあるかもしれません。

弁護革命は、「文書を入れてそのまま使っても強力なツールになるように」という設計思想があります。つまり1番の発想です。ですので、管理コストを下げる方向の機能が色々あります。(「京谷先生のようにきっちりやれない」というタイプの方も、どうかご安心ください)

しかし実際に使っていただくと、「書き込みをしたい」というニーズや、京谷先生のように「タグをどんどん使いたい」というお声もいただくようになりました。これはつまり、2番のアプローチで、積極的に蓄積したり編集したりという活用スタイルです。

その点で言うと、京谷先生は非常に2番寄りの活用をしていらっしゃったので、そのあり方として勉強になりました。
たとえば、「『手直しモード』で記録を読みながら頭に入れるんだ」と言っていただくと、「なるほど」と思うと同時に、それならそれでより使い勝手を改善できる部分が出てきます。

1番と2番とは、ソフトウェアの作りとしては特に矛盾しない部分で、1番をベースラインとして持ちながら、2番も充実させるのがベストだろうと思っています。
今後の機能の改善として、シンプルさを保ちながら、情報の蓄積・整理がより柔軟にできるようにするということを改めて意識したところです。

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