民事裁判IT化で手間が増える!?
───井上先生、中川先生、よろしくお願いします。先日、山本は山梨県にIT・セキュリティ研修にうかがいましたが、研修後の雑談で、「弁護革命とmintsをセットで使うと最高です!」というお話を聞かせてもらったのが、今日お願いしたきっかけです(笑)
mintsは弁護実務を大きく変えることになりそうですが、イメージがわかない方も多いと思います。mintsの体験談は貴重ですので、踏み込んだお話も聞かせていただけると皆さんのお役に立つと思いました。今日はよろしくお願いいたします。
井上弁護士・中川弁護士:はい、こちらこそよろしくお願いします。
井上弁護士:我々は、裁判所と弁護士会が協議を行う「IT化研究会」のメンバーにもなっています。Teamsに始まり、現在はmintsについても様々な協議を重ねています。ちなみに私は裁判所にも弁護革命を激推ししています(笑)
───現時点で、何件程度の事件でmintsを使われましたか?
井上弁護士:係属中の事件も含めて15件ほどです。
中川弁護士:私はまだ5件ほどです。
───最初にズバリお聞きします。「mintsで仕事は楽になりますか? それとも、逆に仕事が増えますか?」
井上弁護士:ここは要注意なポイントです。徒手空拳でmintsを使うと、仕事が増えるだけになると思います。「mintsを経由して書類を受け渡す事務が上乗せされただけ」という感じです。逆に、電子化に向けた体制をしっかり作れていると、mintsの恩恵を受けられて、仕事が生産的になります。
私の場合は切り札になったのが弁護革命でした。イメージ的な数字ですが、『これまでの紙スタイル』の仕事の負担を1とすると、『ただのmints』の仕事の負担は1.5くらい、逆に、『mints×弁護革命』だと、仕事の負担が一気に減って0.3とか0.5くらいになります。
中川弁護士:私も同じ感想です。『mints×弁護革命』の相性は最高だと思います。私はコロナ以来クラウドストレージも利用しており、記録の電子化をある程度進めていましたが、そこまで大きなメリットは感じていませんでした。それが弁護革命を導入してから、一気に業務効率が上がり、同時に電子化の恩恵も感じられるようになりました。
民事裁判書類電子提出システム(mints)で実務はどう変わる?
───「実は仕事が増えるだけ」というのは、恐ろしいですよね。詳しくお聞きしてみたいです。まず「mints」という言葉は耳にしたことがあっても、具体的なイメージを持てていない方も多いと思います。
裁判所のホームページでは、
mintsは、現行民訴法132条の10等に基づき、裁判書類をオンラインで提出するためのシステムです。対象となるのは、準備書面、書証の写し、証拠説明書など、民訴規則3条1項によりファクシミリで提出することが許容されている書面です。
当事者双方に訴訟代理人があり、双方の訴訟代理人がmintsの利用を希望する事件において、御利用いただけます。
このように解説されていますが、実際どんなものなのでしょうか?
中川弁護士:簡単に言うと、mintsは裁判所が準備した書類受け渡し用のウェブサイトみたいなものです。代理人にはメールアドレス+パスワード(SMS認証あり)で、アカウントが発行されます。ログインすると、自分の担当事件について、書面のPDFなどを提出したり、受領したりできます。
つまり、自分が主張書面や証拠などを提出する場合は、mintsにログインしてPDFなどをアップロードします。反対に相手方から提出があった場合は、mintsにログインして、PDFなどをダウンロードします。
これまでFAXでおこなっていた準備書面や証拠の提出(直送)・受領が、mintsに置き換わるイメージです。
───実際に提出(アップロード)するときは、どのようにするのですか?
画像出典:mints 操作マニュアル
ファイルアップロード画面があるので、そこにファイルをドロップすると提出できます。「主張書面」「書証の写し」「証拠説明書」「その他の書面」「参考書面」という分類があるので、これを選択します。A4のPDFをアップロードできます。(「参考書面」に限り、A4以外のPDF、ワード、エクセルも可能)。
ちなみにmintsで提出する書面に押印は不要です。紙に印刷して押印してスキャンするのではなく、PC上でいきなりワードからPDFに変換して、そのまま提出できます。
───ファイル名は、提出する弁護士が付けるのでしょうか?
井上弁護士:はい。ファイル名は提出する代理人が自分で付けています。「第2準備書面.pdf」とか「甲第18号証.pdf」といった名前を付けてアップします。裁判所にも相手方にも、そのファイル名がそのまま反映されます。また、アップロードが完了すると、即座に裁判所と相手方にファイルの中身も見えるようになります。
───なるほど。提出側が付けた名前がそのまま使われ、すぐに中身も見えるということですね。このあたり、事故につながるケースもありそうな気がします。あとでお聞きしたいです。
証拠のファイルは、証拠を1点ずつ分けてPDFにする必要があるのでしょうか。
そうです。「甲第1号証~甲第20号証.pdf」ではだめです。「甲第1号証.pdf」「甲第2号証.pdf」...「甲第20号証.pdf」という風に、20個のPDFファイルが必要です。
───なるほど、そうなると、「PDF作りの手間」みたいな課題も生まれてきそうですね。
相手方がmintsで提出した場合は、どのようになるのでしょうか?
井上弁護士:メールで通知が来ますので、mintsにアクセスします。提出済み書面が一覧で見られる画面があるので、そこで探してダウンロードします。ファイル名は、相手が付けたものがそのまま見えています。画面上でプレビューする機能もあります。
───mintsの主要な機能はこのあたりということですよね。つまり、「事件毎にmintsを経由してPDFを受け渡しできますよ」、「画面上でファイルを見ることもできますよ」というわけですので、「もしかしたらmintsだけあれば仕事ができる??」などという期待も生まれてくるかもしれません。このあたりは実際どうでしょう?
井上弁護士:私の感覚になりますが、残念ながらmintsだけで仕事をするのは無理です(笑) mintsはサイト上にデータが載っているというだけのシンプルなもので、自分で整理することもできません。mints上で記録検討や起案までするというのは、あまりに作業効率が悪すぎて、非現実的です。それと、事件が終わると、mints上のデータは見られなくなってしまいます。mintsの使い方としては、代理人がデータをダウンロードして自分で整理・保管することが大原則だと思います。
中川弁護士:私も同感です。mints上で仕事をしようとしてもつらいだけなので、mintsはデータを受け渡しする手段と割り切ったほうがよいと思います。
───なるほどですね。そこの頭の整理は結構大切な気がします。
少しさかのぼりますが、全国に先立ってmintsの運用が始まるということで、当初はmintsにどのような印象を持っていましたか?
井上弁護士:今でこそ『mints×弁護革命』を謳歌していますが、実は私はmintsについて消極的な姿勢でした。
電子提出なんて、単純に手間が増えるだけではないかというのがその理由です。
たとえば書証ですと、元々は紙の資料が大半です。mintsで提出するためには、わざわざスキャンしてPDFにしなければなりませんので、その手間が増えます。アップロードもFAXより面倒くさそうです。それと、弁護革命を使っていない場合の話ですが、単にフォルダにPDFを詰め込むだけだと、紙よりも仕事がしづらくなります。
「IT化研究会」のメンバーでもあるので、仕方なくやり始めた感じです。
「mints×弁護革命」を使ってみて
───その後、『mints×弁護革命』にどのようにたどりつかれたのでしょう?
井上弁護士:基本的な部分に戻りますが、mints時代では、書面が全てPDFなどのデータで扱われるようになります。理屈上は、従来どおり紙ベースで業務をこなし、提出する時だけデータ化する、受け取ったらプリントアウトして記録にとじる、という方法も可能ではあります。しかし合理性に大いに疑問が残るところで、やはりmints時代は記録を電子データのままできちんと活用するのが理想です。
そんな中、電子データを上手に管理できるという噂を聞いていた「弁護革命」を、「どんなもんだろう」という程度の気持ちで、試しに無料版で使ってみました。
すると期待以上で、使い始めてすぐに、「このツールはすごい」「非常に便利だ」と感じました。
単にデータを保管するだけなら、クラウドサービスやPCのハードディスクでも可能です。
ただ、データ化した資料を見ながら記録を検討したり、起案するとなるとどうしても限界があり、結局は不便でした。
ここが弁護革命で完全に変わりました。弁護革命は、記録をきれいに整理でき、パッと引き出せ、検索性も抜群で、ファイルを開く・閉じるも実に快適です。紙以上によく頭に入ってくるんです。ついに紙よりも弁護革命のほうが仕事をしやすくなり、紙を逆転してしまいました。
弁護革命は非常に弁護士業務にフィットする作りになっています。ちょっと上から目線の言い方になりますが、「わかってるな」という表現がピッタリです。すごく些細な話をすると、たとえば弁護革命は「とじる」ボタンが大きくて押しやすかったりします。そんなところまで便利なんですよね(笑)
中川弁護士:私はmintsに消極的というほどではなかったですが、単に電子データを使ったからといって、特に仕事がしやすくなる印象もありませんでした。そんな中、電子データを便利に管理できたらいいなと思い、無料版もあるので弁護革命を何気なく試してみました。その結果、弁護革命は非常に使いやすく、電子データでの記録管理の概念自体が変わるような体験をしました。
弁護革命で記録を管理していると、一覧性があってとても見やすいですし、検索機能もシンプルで使いやすいので、紙よりも遙かに速く資料にたどりつけます。PC上で高度な作業ができるので、事務所の外にいても作業効率が落ちなくなりました。打合せなどがなければ事務所にいる必然性もなくなり、極端な話、その日の気分でリモートワークもできるようになりました。
フォルダ中心でデータ管理していた頃を思い返すと、探したり開いたりという動作ごとに、毎回もたもたしていたと思います。1回1回は少しの時間かもしれませんが、チリツモというべきでしょうか。全体としては弁護革命で劇的に仕事が快適になり、能率も上がりました。
「mints×弁護革命」の相性はいかに!?
───ありがとうございます。ここからは、mintsの「課題」となりそうな部分をおたずねしてみたいです。
さきほどmintsには自分でファイル名を付けてファイルをアップし、それがすぐ裁判所と相手方に見えるというお話がありました。ちょっとしたミスで情報漏えいなどの事故につながるような気もするのですが、実際のところいかがでしょうか。
中川弁護士:間違った書類を提出する「誤アップロード」は怖いです。たとえば、「第1準備書面.pdf」というファイルをアップしたとしても、実は間違えたものをつまんでいて、別の事件のものかもしれません。気を遣いますね。
画像出典:mints 操作マニュアル
───もし間違ったファイルを提出してしまったら、リカバーの方法はあるのでしょうか。
中川弁護士:mints上で自分で削除することはできません。
裁判所側でも簡単に削除できないようで、内部で決裁などが必要になるようです。mints経由の情報漏えいは普通に起こりえると思います。FAXでも、誤送信してしまうと取り戻せませんが、mintsでも似た結果になってしまいます。
───ファイル名に個人情報や余計な文字を入れたまま提出するおそれもあるのですよね。
中川弁護士:そうですね。ファイル名もそのまま裁判所と相手方に見えるので、ミスによる情報漏えいのおそれはあると思います。
───誤アップロードなどのリスクについて、よい対処法はありますか?
中川弁護士:この点は、弁護革命を使っているだけでリスクが減ると思っています。
私は訴訟の準備段階から、弁護革命上で資料を整理して、証拠番号も付けています。ですので、mintsに提出する際にも、弁護革命の機能が活用できます。たとえば甲号証を提出したければ、弁護革命で、「甲号証」のボタンで絞り込みます。甲号証だけが表示されている状態になるので、そこから出したい証拠を選んで、弁護革命の機能で「一括ダウンロード」します。
すると、新しいフォルダが作られて、さっき選んだ証拠のPDFだけがそのフォルダの中に出力されています。あとは、フォルダの中身をそのまま選んでアップロードすればよいので、取り違えのリスクは非常に小さくなります。
───安全なだけでなく、提出作業が楽になるというのもあるでしょうか。
中川弁護士:証拠の提出は、弁護革命の利点が多いところです。
第一に、「一括ダウンロード」は、ファイル名に自動で証拠番号やタイトルを書き込んでくれます。「甲第1号証.pdf」「甲第2号証.pdf」...「甲第20号証.pdf」などと手で作っていく必要はなく、出力した瞬間にそのままアップロードできるファイル名になっています。
第二に、「一括ダウンロード」には、証拠番号をPDFファイルに自動で書き込む機能があり、右肩に自動で「甲第10号証」などと埋め込んでくれます。証拠番号をいちいち書き込む手間も省けます。
第三に、弁護革命内の情報をもとに、証拠説明書を出力できる機能もあります。これを使うと、証拠説明書も簡単に作れます。
弁護革命には、スキャンした印刷物や手書き文字(PDFファイル)をテキストデータとして自動認識するOCR機能が付いています。
状態の良い一般的な印刷物なら99%以上の認識率があります。また資料のタイトル・日付・証拠番号まで分解して認識でき、弁護革命内自動的にタイトルなどが反映されます。
タイトルの付いていない資料や認識が難しい場合、また、ユーザー自身が分かりやすいタイトルを付けたいという場合もあります。
そういう場合は、弁護革命上でデータを修正することが可能です。
逆に、PDFファイルのファイル名に、証拠番号などが既にきちんと書かれている場合には、それを優先して認識させることもできます。
詳細はこちら
文書を編集する(書誌情報)
「甲」や「乙」という文書符号(タグ)を付けた資料をダウンロードする際、「右肩に証拠番号を埋め込む」のオプションをオンにすると、右肩に証拠番号が書き込まれた状態でダウンロードできます。
詳細はこちら
まとめて操作(ダウンロード)
提出したい資料に証拠番号を付けて、日付・作成者・メモ(立証趣旨)を整えておきます。
証拠説明書として出力できます。
あとは事件番号など一般的な体裁を整えれば、証拠説明書の完成です。整理メモなどにも利用できます。
詳細はこちら
ツール(リスト出力)
───弁護革命は証拠のPDFを登録する際に、甲1,甲2、甲3などと別々に登録する想定で作られているのですが、この点も相性が良かったりするのでしょうか。
はい、先程言ったようにmintsは「甲第1号証~甲第15号証.pdf」などといった形で提出することはできず、「甲第1号証.pdf」「甲第2号証.pdf」というように、証拠を1点ずつばらす必要があります。証拠を束ねてPDFにする習慣がある場合だと、この辺り、手間が増えたと感じるかもしれません。
その点、弁護革命は、もともと証拠1点ずつで登録する想定の作りになっているので、mintsの考え方とぴったり合っていると思います。相手方がmintsに提出した書面や証拠も、証拠が1点ずつ分かれたPDFでアップロードされているわけですので、ダウンロードしてそのまま弁護革命に入れるだけで、きれいに登録ができてしまいます。
- データ活用の体制ができていないと、mintsの手間ばかりが目立ち、むしろ業務効率は落ちてしまう。
- mints上で記録を閲覧して仕事をするのは現実的ではなく、ダウンロードして自分で整理する必要がある。
- 弁護革命があれば、データ活用の体制はばっちり整う。mintsとの相乗効果で、業務が一気に効率的になる。
- 弁護革命は、整理・検索・閲覧などが非常に優れているので、電子データだけで本格的な仕事ができる。
- mintsは証拠を1点ずつPDFにして、ファイル名も付ける必要があるが、弁護革命なら自動で出力できるので楽々。
- 相手方がアップした書面データも、弁護革命にそのまま入れるだけできれいに整理できる。
- 弁護革命で管理していると、mintsでの誤提出・情報漏えいのリスクも減らせる。
───ここまでmintsを絡めた話をお聞きしてきましたが、もう少し全般的なことも伺いたいと思います。弁護革命を導入されたことで他に変わったことなどはありますか?
中川弁護士:私の場合、弁護革命導入のきっかけはmintsだったものの、結果的に弁護士業務全体が一変しています。
私は元々、事務所外で仕事をしたいときは、必要な資料だけ事務所でスキャンしてクラウドにアップするというやり方でした。
ただその方法だと、「何をスキャンしておくか」ということを毎回考える必要があり、いざ仕事をしようと思った時に「あの資料がない」ということもありました。
しかも、クラウドサービスの検索機能は一般的なものですので、ある程度は絞り込めても、結局一つ一つファイルを開いて中身を確認する必要があったり、ファイルが開くまで時間もかかったりと、色々ストレスになっていました。ここが弁護革命で一気に解消されました。
今は大半の事件を弁護革命に入れていますので、自宅や出張先でも快適に仕事ができます。
また、紙の記録を使っていた頃は、事務員さんがカテゴリーごとにインデックスを貼ってくれていました。今はそれもなくなったので、事務員さんの負担も減らせました。
事務所では、デスクトップPC+ディスプレイ2枚で仕事をしています。
自宅では、上の写真のとおりノートPCをサブディスプレイ替わりにしています。
紙媒体がないので、自宅デスクはすっきりしています。
井上弁護士:確かに、時間の浪費が少ないのは、弁護革命の魅力です。
一回一回の時間は短くても、塵も積もれば膨大な時間になりますし、ちょっとしたストレスが仕事のパフォーマンスにも影響しますよね。
ちなみに私は、資料を一旦弁護革命に全部入れるという方法ではなく、「弁護革命に入っているもの=裁判所に提出したもの」という使い方をしています。
mintsを使う訴訟はもちろん、破産や後見の申立でも、申立書類を作りながら、裁判所に提出するものを弁護革命に入れていっています。
───中川先生のように一旦全部入れて検討段階から使う方も、井上先生のように確定した記録としてに使う方もいらっしゃいますね。
中川弁護士:私は初心者向けガイドブックを見ながら、そのとおり使ったら自然とそうなりましたね。
弁護革命では、初心者の方が、実際に手を動かしながら弁護革命に慣れていただくために入門ガイドを用意しております。
すでにお使いの方も、「こんな使い方があったんだ」という発見があるかもしれません。
入門ガイド「使ってみよう弁護革命」
───井上先生も、事務所外で弁護革命を使って仕事をされていますか?
井上弁護士:私は事務所が一番集中できるのと、オンオフを切り替えたいので、自宅などで本格的に仕事をすることは少ないです。
その分事務所の環境にはこだわっていて、弁護革命導入をきっかけにディスプレイを増やしました。
縦向きに置いているディスプレイは、弁護革命で書面を見る用です。
弁護革命で書面を見ながら起案するので、スクロールの手間が減って便利ですよ。
───期日や打ち合わせで弁護革命を使うことはあるでしょうか?
井上弁護士:期日は、紙の記録ではなく弁護革命で臨んでいます。
そのためにタッチパネルのノートパソコンも購入しました。
打ち合わせでも弁護革命を使っています。相談室にモニターを置いていて、私が操作しているパソコンの画面が依頼者側にも表示されるように設定しています。弁護革命の画面をそのまま映して、依頼者に証拠や資料を見てもらっています。便利ですよ。
中川弁護士:そんなことできるんですね。今度井上先生の事務所におじゃまして、見せてもらいます(笑)
期日は、私も弁護革命で臨んでいます。荷物も軽くて助かります。
私はZOOMの打合せで弁護革命が便利だと感じています。弁護革命の画面は、Web会議の画面共有機能と非常に相性がよいと思います。画面共有した際にも見やすいです。
───ありがとうございます。mintsの実情や課題、mintsと弁護革命との組み合わせ方に、普段の使い方までお聞きできて、大変貴重なお話でした。最後に、これから弁護革命の導入をお考えの方に向けてもしメッセージがあればお願いします。
井上弁護士:わざわざ電子データを使うのは、紙に比べて面倒ではないかと質問を受けることがあります。確かに、その瞬間瞬間だけを見ると、紙のほうが楽な場面があります。たとえば、「証拠にスタンプを押してFAXで送る」という動作は、それ単体では結構スピーディにやれます。ただ、その瞬間だけでなく、「業務全体の流れ」を考えると電子データをうまく使えたほうが、圧倒的に有利になると思っています。
私が、電子化の恩恵を本当に実感できたのは、弁護革命を使うようになってからでした。最初に言ったように、『ただのmints』と、『mints×弁護革命』では、業務効率に大幅な開きが出てくると感じています。これからmintsや電子化に備えていきたい先生にとって、弁護革命は非常に有力な選択肢になるのではないでしょうか。
中川弁護士:私は、弁護士業務全体をデータ化することで効率が上がると考えています。その一つに、mintsがあるというイメージです。
最近、周囲の弁護士から、「弁護革命どうなの?」とか、「有料にする価値ある?」とか聞かれることが増えました。
私は、弁護革命は非常にお買い得なツールだと思っていますし、周囲にもそう話しています。弁護革命を導入すると、電子データで本格的な仕事が可能になり、本当に紙が不要になります。電子データで業務を回すための基盤になるので、費用対効果は高いですし、楽々元が取れると思います。弁護革命を使い込んでいる先生方は、きっと同じように考えるはずです。
mintsが本格化していくほど、『mints×弁護革命』のメリットも更に大きくなっていくと思います。今のうちから弁護革命に慣れておくと、訴訟の電子化の恩恵をちゃんと受けられると思います。
開発者山本の感想
山本了宣:膨大な開示証拠を管理する必要に迫られたことをきっかけに、『弁護革命』を開発しました。
弁護士(大阪)。 NOTE https://note.com/ryoseny/
今回は大変刺激的なお話が聞けました。
お二方の先生のお話に共通していたのは、電子データを使えば、いきなり業務が効率化するものではないということです。mintsができて、電子データが簡単に手に入るようになったとしても、弁護士側の仕組みがきちんと整っていなければ、事務作業が増える一方で、資料検討や起案が早くなるわけでもありません。つまり、単に業務効率が落ちるだけだということです。
山本は、これを、我々弁護士の業務特性によるものだと理解しています。一般的な業種ですと、電子データ中心に業務を回すようにすれば、もう少しすんなりと電子データの恩恵を受けられるように思います。
しかし、弁護士はそうではないのです。弁護士の業務には、「事件記録」という特異領域が厳然と存在します。事件記録は絶対に安全に扱わなければいけません。mintsであろうと、誤送信も誤アップロードも許されません。それと同時に、高度な活用が求められます。資料検討や起案のときには内容をしっかりと読み込まなければなりませんし、書面を書くときには、素早く目当ての資料を探し当てて参照しながら、中身のある文章を書く必要があります。こうしたニーズを満たす上で、単にフォルダにPDFを入れているというだけでは、やはり限界があるのだと思います。
弁護革命は、『仕事がはかどるデジタル事件記録』、事件記録の活用を真正面から目的にしたツールです。mintsと言う新しい、そして、すべての弁護士が避けて通ることのできないシステムを利用していく上でも、弁護革命が素晴らしい相性を持っているというお話を聞けました。
今後、mintsが本格的に広がっていきます。『mints×弁護革命』の相性をより高めることを、弁護革命の重要なテーマの1つとしていきたいと思います。弁護革命が、もっと仕事がはかどる、毎日役に立つツールとなるよう、引き続き努力して参ります。
民事裁判書類電子提出システム(mints)対応の切り札は『mints×弁護革命』!
~運用先行地域から学ぶ「民事裁判IT化」時代の実務
弁護士であり弁護革命の開発者でもある山本了宣が、ユーザーから使い心地や利用方法などをうかがう、ユーザーインタビューシリーズ。
第7回目となる今回は、山梨県弁護士会所属の井上昌幸弁護士と中川佳治弁護士にお話をうかがってきました。
井上弁護士は、2007年に弁護士登録した60期で、2008年に独立して「井上法律事務所」を開設。弁護士1名・事務員1名の体制で民事事件を幅広く取り扱うマチ弁として活躍されています。
中川弁護士は、2014年に弁護士登録した66期で、2016年に独立して「あおば法律事務所」を開設。弁護士2名・事務員2名の体制で民事事件・刑事事件を幅広く取り扱うマチ弁として活躍されています。
山梨県の甲府地方裁判所では、2022年4月、全国に先駆けて「民事裁判書類電子提出システム(mints)」の運用が始まりました。2023年以降、mintsは全国に拡大される予定のため、遅かれ早かれ全国の弁護士に対応が求められます。
お二人の話によると、何の準備もなくmintsを使うことになると、むしろ手間が増えるばかりで、業務効率が落ちてしまうとのこと。しかし現在お二人は、『mints×弁護革命』にたどりついたことで、mintsの恩恵をしっかり受けられるようになったといいます。
今回のインタビューでは、mints利用のリアルな体験談をまじえつつ、『mints×弁護革命』の中身をお聞きしていきます。mintsの中身、メリット・デメリットもわかるお得な記事になっています。ぜひご覧ください。
※本記事は、2022年12月1日現在の情報に基づいて作成しております。
mintsの最新の機能などは、mints公式HPをご確認ください。